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『巽悠衣子の「下も向いて歩こう\(^o^)/」』
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■鉄球姫エミリー(八薙玉造)

2007.12.12 01:10|感想
鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1) 鉄球姫エミリー (集英社スーパーダッシュ文庫 や 2-1)
八薙 玉造 (2007/09/25)
集英社

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 久々に激しいものを読んだなぁ……いや、面白かった。
 常人の力を力を増幅する特別な大甲冑を身に纏い、鉄球を振り回す傍若無人で下品極まりないお姫さまが戦う、情け容赦ない血みどろな戦い。
 自分に仕える若き騎士を「粗チン」呼ばわりしたり、侍女のスカートに頭を突っ込んで遊んだりと、前半こそエミリーのコミカルな描写で大いに笑わせてくれますが、中盤から始まる、王族にありがちなお家騒動によってエミリーに放たれた、暗殺者たちとの戦いは壮絶極まる展開の数々。殺戮と蹂躙、飛び散る鮮血、砕ける頭蓋……。大甲冑という力で押し切る戦いの迫力ある描写はまさに圧巻。
 展開そのものは、エミリーと暗殺者たちとの戦いという一点に絞られます。土台として語られる王家の跡目争いや政治家の権力闘争などは単なる付け合わせにすぎません。惨劇を防げなかったエミリーの後悔と戦う決意や、命をかけて任務を遂行しなければならない暗殺者たちの引けぬ理由など、戦いの当事者たちドラマが展開するだけでストーリーは至ってシンプル。しかし情熱たっぷりで描かれるキャラクターたちの想いや、大甲冑という一軍に匹敵するという特殊な武装による重量感&スピィーディーな戦いの勢いの良さなど、とても趣味的ですけどそれだけに無駄のない構成でまとめた面白さは非常に素晴らしいと想います。
 残念なのはエピローグがあっさりしすぎでちょっとラストで拍子抜け感が漂うところくらいですか。まあエミリーの性格を考えるとあまり悲劇の余韻を残したままでは似合わないとは思うけども…。

 兎にも角にも、新人さんによるデビュー作というには十分すぎる力作でした。荒削りな部分ももちろんありますが、そういうのを気にさせないパワーと勢いが素晴らしいと思います。生々しい戦いの描写など個人的に好きな書き方だったりしますし、これからどんどん勢いのある作品を書いていって欲しいですな。

テーマ:ライトノベル
ジャンル:小説・文学