箱庭●弐 感想その他

- アニメ・ゲーム・ラノベの感想を主につらつらと -

■復活の地 III(小川一水)  

復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)
(2004/10)
小川 一水

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 再び迫った帝都大震災。それに対抗するべく動き始める帝都の人々、という感じで始まる最終巻。いやー面白かったです。もう、あり得ないくらい上手く行きすぎて、見事というほかないくらい大団円なんですけど、内容が内容だけにこういうエンドじゃないとやり切れないものがありますからねぇ。や、兎にも角にもセイオの『天災とは戦える』というセリフが全て。皆で一丸となり、襲い来る脅威に立ち向かう姿が、地味ながら熱いドラマとして魅せてくれます。いや、ほんと展開的には出来すぎで、サイテンやグレイハンの陰謀・策謀etc劇がもっと炸裂するかと思っていた私としては、ぶっちゃけ肩透かしを食らったという気がしないでもないですが(つか、彼らの最後は情けなさすぎという気が)、トータルで見れば間違いなく良作~傑作の部類に入る面白さというのは間違いないです。重厚なSFドラマ、とは流石に言いすぎですが、読み物として非常に楽しめた作品でした。


・シリーズ感想
復活の地

Posted on 2005/05/01 Sun. 23:08 [edit]

category: 感想

thread: ライトノベル - janre: 小説・文学

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■復活の地 II(小川一水)  

復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA)復活の地 2 (ハヤカワ文庫 JA)
(2004/08/06)
小川 一水

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 震災は一段落し、本格的な復興が始まる2巻。内容的には直接被災地でどうこうする、というものより、やはりそれに絡んだ政治的な駆け引きや他国の干渉、植民地の叛乱などといった政治レベルのストーリーがメインになっているかな。スケールも大きくとにかくダイナミックに情勢が動いていく様子が面白いのなんのって。まあ、一巻の感想でも書きましたが、シュミレーションものとしてはこれでもまだ厚みが足りないというか、まだまだ物足りない部分もあるんですが、今回は逆に多数のキャラクターを引っ張ってきて、それぞれに見せ場を与えることで群像劇としての面白さを十分に魅せてくれていますね。特にセイオとスミルの対立や考え方の変化が、一巻の時はまたぐっと違ってきて、この辺も面白いなあ、と。また相変わらず憎らしいほどに上手く立ち回るサイテンやグレイハンが最終的にどう手を出してくるのかも気になるところ。
 そしてラストで示された地震の原因がなんとも。ただの自然現象な訳がないとは思っていましたが、まさか地震の原因が空からやってくるとはねぇ。こういうトンデモない発想は小川氏らしいと言っていいのかどうなのか分かりませんが、決着の行方はまったく想像不可能。どうなるんだっ


・シリーズ感想
復活の地

Posted on 2005/04/28 Thu. 01:58 [edit]

category: 感想

thread: ライトノベル - janre: 小説・文学

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■復活の地 I(小川一水)  

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)
(2004/06/10)
小川 一水

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 いやーこれも面白いなぁ。とある惑星の帝国で起こった大震災とその後の再興に携わる人物をメインに描く、災害復興SFノベル。国内の人種問題、政治的駆け引き、他星の列強国による介入など、様々の要素を放り込んで、これでもか、というくらいの密度で展開するストーリーの吸引力は半端じゃないですね。相変わらずというか、微妙に大雑把にまとめてしまっている部分とか、キャラクターの描きこみが少ない、といったところもあるんですが、そんなことは些細な問題というくらいに展開するストーリーの勢いはまさに問答無用。つか、キャラクターについては、適材適所という感じでしっかり描きわけができているので、少ない描写でも十分楽しませるだけのやり取りを見せてくれているんですよね。この辺りの見せ方、読ませ方の上手さは素直にすげぇなぁ、と思うことしきり。特にセイオとスミルの関係が今後どうなっていくのかは、帝国復興の行方と同じように気になるところ。他にも、いまいち思惑の見えないサイテンの権謀がどう炸裂するのか、とか、本当に読みどころが多くて続きが非常に楽しみ。

Posted on 2005/04/23 Sat. 19:56 [edit]

category: 感想

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